絹雲母の結晶及び化学組成
絹雲母(Sericite鉱物名:セリサイト)は、層状珪酸塩鉱物である亜種の白雲母の微細な結晶の集合体で、乾燥した表面は絹糸状の光沢を示すことから、絹雲母と呼ばれる。
絹雲母の結晶構造は、二層珪酸塩四面体に挟む一層のアルミノ八面体構成の複式珪酸塩鉱物となる。構造上では、極薄の片状に分離できる。片状の厚さは、1u以下に加工が出来、理論上には、0.001uまで分離出来る。白雲母より、天然粒径が小さく、超細加工をし易い特徴を有する。
化学式:K0.5-1(Al,Fe,Mg)2(SiAl)4O10(OH)2・nH2O
一般化学組成:SiO243.13〜49.04%,Al2O327.93〜37.44%,K2O+Na2O9〜11%,H2O4.13〜6.12%。
絹雲母の物理特性
絹雲母は、単斜晶系、絹糸光沢をもつ鱗片状の雲母鉱物で、組成によりグレー色、紫ピンク色、白色などである。径厚比>80、比重2.6〜2.7、モース硬度2〜3、弾性に富み、弯曲可、耐摩擦性絶縁性が良い、紫外線遮断力が強い。化学性質が安定で、酸性溶液やアルカリ溶液に溶け難い。
測定データ
弾性係数 1505〜2134MPa
耐熱度 500〜600℃
熱伝導率 0.419〜0.67W.(m.K)-1
電気抵抗 200kv/mm
抗放射能 5×1014熱中性子/cm2
絹雲母の建築業塗料の応用
累層効果があり、重防食塗料として化学的安定性、累層効果による遮断効果、耐候性、耐イオン・耐水蒸気・耐ガス透過性、弾力性などで効果大。
絹雲母の冶金業の応用
鋳型の材料として、充填度が良い、耐久性強、20分間で完全焼結し、必要な強度に達する。無金属液体の流入など。
ペンキ材料の応用
絹雲母は、ペンキ材料の陶土、滑石粉、リトポンなどの代替材として使われて、大幅にコストダウンが出来る。
ゴム製品や工程用プラスチックの応用
ゴム製品の固体潤滑剤、脱型剤、湿気吸収剤、抗老化、防高温縮小、製品の性能品質高め。 |